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「あなたこそ、誰ですか?」
深夜に出会った人物はあまりにも赤が似合い、月に照らしだされた姿は芸術品を思わせるほどだった。
刃に血が付いたままの刀を長髪の人物はゆっくりと骸へと向ける。
こちらを向いたことで露になる姿。
青い瞳に茶色の長髪。
月明かりに照らされているためか、白い肌はまるで人形を思わせた。
「聞いてんのはこっちだ。答えねぇなら消すぞ」
すさまじい殺気。
一般人ではないのは確かだ。
いや、刀を持ち男たちを殺している時点で『普通』ではない。
「…六道骸です」
「むくろ?ふーん…」
名前を聞くと男は刀を下ろした。
「変な名前」
感情の無い声で一言そう言った。
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