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「あなたは一体何者ですか?」
刀を拭い、倒れた男が邪魔だと言わんばかりに足で蹴飛ばす男に問う。
「俺?」
「零(ぜろ)。何もないもの」
くるりと振り向き名を告げる姿は、まるで舞台を見ているよう。
「何もないもの…?」
「むくろ、」
ふわり。
やわらかな動作で骸へ近づく。
骸自身気づかぬうちにいつのまにかすぐ傍まで零は近づいていた。
「…っ、なんですか?」
突然耳元で名前を呼ばれぞくりと肩を震わせる。
「かくまって。」
「は?」
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