99人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前あんな雪山でいったい何してたんだ? 俺が通りかからなかったら今頃……」
サンが尋ねる。
「旅をしてたら道に迷いまして。そしたら崖から落ちて……」
カイジは旅の経緯を話した。
「そうか! 若いのに一人旅か! お前これから行く宛あるのか?」
「……無いです」
サンはしばらく考えると。
「お前良かったらうちで働かないか? その年で一人旅なんて何か訳があるんだろ、旅は金もかかるし」
カイジは即答した。
「良いんですか!」
お金がつき欠けたカイジにとって願ってもない提案だった。
「よし! じゃー外に出るか!」
カイジ達はサンの家を出た。そこには雪山の大自然の高地に数少ない家が並んでいた。八百屋や武器屋や肉屋も並ぶも何処か寂し気で活気がなく人気があまり感じられない。
「まずは漁業だ! 俺は漁師なんだぜ!」
村を少し外れるとそこには川が広がる。
山頂の降り積もった雪が溶けだし、雪山にも関わらず水が貯まり川のようになっている。
そこには当然大地の恵みとなる生態系がある。
最初のコメントを投稿しよう!