蠍泥:甘い味

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「テメーが作れって言うから作ったもんだぜ? さっさと食え」 俺のその一言で、一気に食べ始めたデイダラ しっかり味わうように、何度も噛んで、本当に幸せそーな顔をしてやがる こんなもんで、こんな顔すんだから、俺の相方はやっぱりガキだ …だが、らしくもないが、 それが本当に可愛らしい…… 「おい、デイダラァ 俺はさっき、甘いもんは好きじゃねーっつったが、取り消す」 俺がそう言った途端、相方は動きを止めた 「え…えと、やっぱり旦那も食べたいのかい?うん」 残念そうにしながら皿を差し出す相方 やっぱりコイツは何をしてても可愛らしいのかもしれねー 「そうは言ってねーだろ? …俺が言ってんのは、そーゆー意味じゃねーよ」 俺の言葉に不思議そうに首を傾げる相方 俺は思わずクスクスと笑いながら、身を乗り出して、テーブル越しに座る相手の耳元で囁いた 途端に顔を真っ赤にする 本当にコイツは分かりやすい やっぱりガキだな 「~ッ////そんなこと、平気で言うなよ、旦那ァ、うん////」 …この様子が一番好きかもしれねー、なんて思いつつ、 俺はこの、甘い甘い味のする相方に、触れるだけのキスをした fin 「何よりも甘いのは、テメーだからな、デイダラ…」  
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