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ため息をついた。
私の周りは今日も平和で、そして平凡。
地球に隕石はまだ落ちて来ないみたいだし、散々騒がせてくれたノストラダムスは不況の煽りで撤退してしまったらしい。
ノアの箱舟とでも合併して今すぐこの平凡を打破する一手をくれないだろうか。
「では谷口、訳しなさい」
「…げ」
例えば、答えを持ち合わせていない質問を突然された時、人は不幸を感じる。
「…えーと、飛んだボク昨日…あっ…マントで?」
「はい、代わりに涼宮。」
しかし答えを持ち合わせていない質問をされて答えられないのは当たり前のことであり、それすなわち平凡なのだ。
だとすると平凡と幸せは一致しないことになる。
「……私は昨日飛ばなければならなかったバンジージャンプをマイケルに押し付けた…」
ならば非凡が不幸だとは限らない。
さっきまで寝ていた人間がさらりさらりと問題に答えている様を見て、ああでも、予習をバッチリしていれば当たり前の話なのかもしれないと考える。
ただそこまで予習をする事自体が平凡さから少し離れている気はするが。
何はともあれ、この真横の涼宮は、平凡が好きでなんとしても平凡でありたいと願う非凡な男子高校生だったのである。
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