オカン

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その時だった… オカンが来て 俺をひょいっと 抱きかかえた… 痛みが全く感じなかった… 何人がかりで 抱えようとしても 痛かったのに オカンが抱えると 全く痛くなかった… 俺わ母親って本当に凄いな って思った… 俺が小学3年の 時だっただろうか… オトンが仕事から 帰ってきて 気分が悪いと言い 次の日オトンを 病院へオカンが 連れて行った… そして医者から驚く事を聞いた… オトンが (脳卒中)になったのだ… 右半身が自由に 動かなくなり 仕事が出来ない 体になってしまった… だからオトンの代わりに オカンが1人で働き 父・兄・俺の男3人を 女1人で養っていた… 昔から貧乏だった家わ オトンが働けなくなり もっと貧乏になってしまった… だからオカンわ 仕事場まで車で15分の道を お金がもったいないからと 自転車で1時間かけて 毎日通っていた… 俺が小学校を卒業して 春休みの時… オカンの知り合いの おじちゃんとおばちゃんが 俺の家のすぐ近くに 越してくると言うので 俺わおじちゃんおばちゃんの 家に住む事にした… そのおじちゃんとおばちゃんわ 俺が生まれる前から オカンと仲が良く 俺が生まれてから ずっと俺の面倒を ちょくちょく 見てくれていた… 俺が中学に入学し オカンが朝仕事に行く前に おじちゃんおばちゃんの家に来て 俺に弁当を渡してくれていた… そして毎朝オカンと俺わ 同時に家を出て オカンわ仕事へ 俺わ学校へ 向かって行った… オカンが自転車をこぎ 仕事へ向かう後ろ姿を見て 毎朝俺わ心の中で 「オカンありがとう」と 呟いていた… 俺わ恥ずかしがり屋だから 面と向かって 感謝の気持ちを 言うのわ苦手だったから 心の中で呟いていたのだ… そんな毎日が続いて… 俺がいつものように 晩飯を食べ風呂に入り TVを見て寝ていった その夜中におじちゃんが いきなり大声で 叫び始めた… 俺わ何事かと思い 隣の部屋を開けて 見てみると おじちゃんがトイレの前に 座っていた… よく見ると おじちゃんの隣にわ 倒れて動かない おばちゃんがいた… 俺わすぐさま オカンに電話して その状況を伝えた… その後119番に電話して 状況を伝えて 電話の人の指示どうりに おばちゃんに心臓 マッサージをした… その間おじちゃんわ 大声で「かあちゃん」と 嫁の事を呼んでいた…
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