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そんな大好きな姉が微笑みながら自分の髪を乾かしてくれている。今日の事を姉も楽しみにしていたからか、姉の笑顔はいつもよりも素敵に思えた。 二人して髪の毛を乾かし、今日のために姉と一緒に選んだ洋服に袖を通す。少女のワンピースは薄いピンク色、姉のワンピースは綺麗な白。 少し背伸びして大人っぽい服を選んで貰った。姉の着そうな雰囲気のワンピース。服に触れると柔らかい印象の生地は指に吸い付くようだ。 こんな素敵な洋服を着込んでも近付けてない。少女は鏡の前に立つ自分の左隣で、その美しい黒髪に櫛を通す姉を見上げながらそう感じた。 本当に東洋の血が流れているのか疑いたくなる程に、透き通るような白い肌に白いワンピースがとても合っている。少女の純粋な意見だった。 ワンピースは純白の筈なのに、姉が纏うと純白すらくすんで見える。シャワーを浴びて姉の頬は淡く染まっている筈なのに、それでも姉の肌は服の純白よりずっと綺麗な白だった。 綺麗。少女は姉を見つめて、そうとしか思えなかった。自分も姉みたいに──。 「もう。何をそんなに見ているの?今日のお姉ちゃんどこかおかしいかな?」姉が目線に気付いて鏡越しにそう聞いてきた。その微笑みに多少の困惑を浮かべて。 「ううん!凄く綺麗。美人さんだよ!」姉の言葉を否定したい気持ちが、そのまま声に出た。 少し声が大き過ぎたか、と少女は思ったが「そう?よかった」と姉が満面の笑みでそう返してくれたことに安心した。 「じゃあ身支度もできたことだし、ご飯食べようか」姉はしゃがんで少女の目線に高さを合わせる。いつも少女に向ける微笑みを浮かべて。 「うん!」少女が返事をすると、姉妹は仲良く手を繋いでリビングへと向かった。
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