第三章

19/22
128人が本棚に入れています
本棚に追加
/464ページ
その時チャイムが鳴った。 ツワブキは壁に掛けられた時計を一瞥しヤベッと呟く。ビニール服を手に持ったが、中身を見て目を丸くする。 「あれ、お前何も食ってねえじゃん」 「いいッス」 豊高は気づいているだろうか。 自分の表情が、いくらか柔らかくなっていることを。 「いいからいいから」 ツワブキは机の上にクリームパンを置き 「じゃあな、たまには部活来いよ」 あの人懐っこい笑顔を見せ教室を出た。
/464ページ

最初のコメントを投稿しよう!