Ⅱ.歪み

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僕の名前は宮城聖(みやぎ ひじり)。 僕には物凄く可愛い兄が居る。 名前は歌奈有(かなう)。 1つ年上なのに、僕と全く同じ身長で、声変わりもしていない。 兄は完全に美少女顔なのに無自覚だ。 尚且つ無防備な為、男女関係無しに物凄くモテる。 だが、大好きな兄を他人に盗られるのは絶対に許せない。 だから 《ねぇ。お兄ちゃんだけでなく、僕も見・て?》 ワザと可愛らしい演技をして、周囲を誘惑する。 元々兄の外見しか見てなかった奴等は 《聖ちゃんは可愛いね》 簡単に僕に墜ちていった。 あ~あぁ、馬鹿な奴。 僕より兄の方が可愛いのに、分かってないの? 可愛い歌奈。 僕が一生歌奈を守ってあげるよ? だから、歌奈も僕を見て・ね? 「おはよう宮城」 「おはよう」 可愛らしく微笑みながら 『ウザいなコイツ』 心の中で毒づく。 コイツの名前は川ヶ瀬鏡夜(かわがせ きょうや)。 中2で同じクラスになってから、やたら構って来る。 まさかコイツ狙ってんのか?僕の事。 止めろよキモいから。 僕は歌奈しか要らないんだ。 歌奈さえ手に入れば、唯、ソレだけで良い。 そう思いつつも邪険には出来ない。 何故なら、僕は可愛くて皆のマスコット的な存在だと思われているからだ。 歌奈は自分の容姿に無自覚だが、僕は自覚していて、ソレをフル活用している。 どんな最悪の事態でも、可愛らしく頼めば、いつも上手くいっていた。 だから、僕はどんなウザい奴等に付き纏われ様が、笑顔で接するのだ。 だって、そうしてた方が、後々便利で都合が良いでしょ?
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