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「ねぇ歌奈」
「ん?」
「なんか今日スッゴク機嫌良くない?」
「ちょっとな」
ニコニコ笑いながら部屋へ向かう歌奈。
そんなに今日の夜御飯は楽しかったの?
そんなにソイツの事が好き?
許さないよ、僕から歌奈を盗るなんて。
たとえソレが友情であったとしても、僕と歌奈を引き離すなんて、あってはならない。
苛々しながら向かった寝室。
ああ、今日は眠れそうにない。
「歌奈?」
「あっ、聖。ちょっと俺出掛けるから、いってきます」
「ぇっ!?ちょっ、歌奈?」
朝洗顔をしようと階段を降りたら、もう外出する歌奈が居た。
今日は日曜日。
時間は朝の7時。
まだ出掛けるには早い気がする。
それに歌奈、スッゴイ可愛い格好をしていた。
デート?
って、まさかな。歌奈には好きな人なんて居ない筈だ。
聞いた事もない。
後を着けたかったが、流石にソレはプライバシーに関わる。
グッと我慢して唇を噛み締めた。
その日はずっと苛々したまま時間が過ぎた。
いつまで経っても帰って来ない歌奈。
ねぇ一体何をしているの?
休みの日位僕とずっと一緒に居てよ?
ただでさえ学年が違うせいで離れ離れなんだからさ。
「ねぇ聖。歌奈遅過ぎるわね。何か聞いてない?」
言われ仰ぎ見る時計。
PM7:35。
AM7時位に出掛けてまだ帰宅してないなんて、少し遅過ぎる。
何時に帰ってくるか位聞いとくべきだったな、失敗した。
携帯を開き通話ボタンを押したが
『は!?』
電話は通じなかった。
電源切ってんのか?
電話が無理ならメールがある。
そう想い、スグ帰ってくる様送った。
「僕部屋に居るから」
「え!?聖夜御飯は?」
「要らない」
「ちょっ、聖!?」
背後から聞こえる母の声を無視し、僕は部屋に向かった。
僕の部屋は聖と同室。
「早く帰ってこいよ、バカ歌奈有」
軽く苛つきながら、歌奈のベットに寝そべった。
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