Ⅱ.歪み

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「ねぇ歌奈」 「ん?」 「なんか今日スッゴク機嫌良くない?」 「ちょっとな」 ニコニコ笑いながら部屋へ向かう歌奈。 そんなに今日の夜御飯は楽しかったの? そんなにソイツの事が好き? 許さないよ、僕から歌奈を盗るなんて。 たとえソレが友情であったとしても、僕と歌奈を引き離すなんて、あってはならない。 苛々しながら向かった寝室。 ああ、今日は眠れそうにない。 「歌奈?」 「あっ、聖。ちょっと俺出掛けるから、いってきます」 「ぇっ!?ちょっ、歌奈?」 朝洗顔をしようと階段を降りたら、もう外出する歌奈が居た。 今日は日曜日。 時間は朝の7時。 まだ出掛けるには早い気がする。 それに歌奈、スッゴイ可愛い格好をしていた。 デート? って、まさかな。歌奈には好きな人なんて居ない筈だ。 聞いた事もない。 後を着けたかったが、流石にソレはプライバシーに関わる。 グッと我慢して唇を噛み締めた。 その日はずっと苛々したまま時間が過ぎた。 いつまで経っても帰って来ない歌奈。 ねぇ一体何をしているの? 休みの日位僕とずっと一緒に居てよ? ただでさえ学年が違うせいで離れ離れなんだからさ。 「ねぇ聖。歌奈遅過ぎるわね。何か聞いてない?」 言われ仰ぎ見る時計。 PM7:35。 AM7時位に出掛けてまだ帰宅してないなんて、少し遅過ぎる。 何時に帰ってくるか位聞いとくべきだったな、失敗した。 携帯を開き通話ボタンを押したが 『は!?』 電話は通じなかった。 電源切ってんのか? 電話が無理ならメールがある。 そう想い、スグ帰ってくる様送った。 「僕部屋に居るから」 「え!?聖夜御飯は?」 「要らない」 「ちょっ、聖!?」 背後から聞こえる母の声を無視し、僕は部屋に向かった。 僕の部屋は聖と同室。 「早く帰ってこいよ、バカ歌奈有」 軽く苛つきながら、歌奈のベットに寝そべった。
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