Ⅱ.歪み

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ドンドン叩かれるドアの音。 『!?』 慌てて飛び起きた。 どうやら転寝していたらしい。 「何?」 少し重い瞼を擦りながら開けると 「聖、歌奈が行きそうな所分かる?」 泣いている母が居た。 慌てて時計を見るとPM11:45。 流石に遅過ぎる。 「電話は?」 聞いてみたが、フルフル左右に首を振られ、自分の携帯を確認した。 が、やはり何も来ていない。 「友達の家に泊まってるなら良いんだけど、何か事件に巻き込まれてたりしたらって考えると」 カタカタ震える母の身体。 顔面蒼白で、僕迄血の気が引いた。 「ちょっと待ってて?」 速攻で思い当たる箇所全てに連絡したが、昨日同様ソコに歌奈は居なかった。 て事は昨日と同じ奴か。 そしたら連絡出来ない。 ていうか、なんて非常識な奴なんだソイツ。 親しくなったばかりなのに歌奈を振り回すなんて、許せない。 「探してくる」 玄関に向かうと 「ダメ!!!!!」 母に止められた。 「もう遅いから危ないの。だから、聖は家で待ってて?私が探してくるから。もし帰ってきたり連絡あったらスグ教えて?」 慌てた口調で言うと 「母さんっっ」 母は玄関を飛び出した。 『・・・・・・・・・・・・・・・・母さん、ソレ靴じゃなくてスリッパです』 家のスリッパのまま走っていった母。 それだけ慌ててたって事か。 あ~もぉ、一体何処行ったんだよ?歌奈。 一緒に居る奴誰だよ? 気付けばAM2時。 完全睡眠時間は過ぎているにも関わらず、睡魔は来なかった。 歌奈のバカ。 あんまり心配掛けんなよ。
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