24人が本棚に入れています
本棚に追加
ドンドン叩かれるドアの音。
『!?』
慌てて飛び起きた。
どうやら転寝していたらしい。
「何?」
少し重い瞼を擦りながら開けると
「聖、歌奈が行きそうな所分かる?」
泣いている母が居た。
慌てて時計を見るとPM11:45。
流石に遅過ぎる。
「電話は?」
聞いてみたが、フルフル左右に首を振られ、自分の携帯を確認した。
が、やはり何も来ていない。
「友達の家に泊まってるなら良いんだけど、何か事件に巻き込まれてたりしたらって考えると」
カタカタ震える母の身体。
顔面蒼白で、僕迄血の気が引いた。
「ちょっと待ってて?」
速攻で思い当たる箇所全てに連絡したが、昨日同様ソコに歌奈は居なかった。
て事は昨日と同じ奴か。
そしたら連絡出来ない。
ていうか、なんて非常識な奴なんだソイツ。
親しくなったばかりなのに歌奈を振り回すなんて、許せない。
「探してくる」
玄関に向かうと
「ダメ!!!!!」
母に止められた。
「もう遅いから危ないの。だから、聖は家で待ってて?私が探してくるから。もし帰ってきたり連絡あったらスグ教えて?」
慌てた口調で言うと
「母さんっっ」
母は玄関を飛び出した。
『・・・・・・・・・・・・・・・・母さん、ソレ靴じゃなくてスリッパです』
家のスリッパのまま走っていった母。
それだけ慌ててたって事か。
あ~もぉ、一体何処行ったんだよ?歌奈。
一緒に居る奴誰だよ?
気付けばAM2時。
完全睡眠時間は過ぎているにも関わらず、睡魔は来なかった。
歌奈のバカ。
あんまり心配掛けんなよ。
最初のコメントを投稿しよう!