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朝になっても帰って来ない歌奈。
事件に巻き込まれてないよな?
「取り敢えず聖は朝御飯食べて学校に行きなさい」
いつの間にか作られていた朝食。
真っ青な顔の母は、なんかやつれて見えた。
食欲なんてある筈ない為、味噌汁だけを飲むと
「何かあったら教えて?」
気が進まなかったが、登校の用意を始めた。
鞄を手に自室のある2Fから降りる為階段に足を向けた時、ゆっくり開いた玄関。
「歌奈!?」
慌てて走り寄ると
「ごめん聖。ごめんなさい」
歌奈は僕に抱き付いて泣いた。
一体何があったというのだろう?
「ごめ・っ、聖、ごめん。ごめんなさ・い・・・・・・・・」
泣きながら謝り続ける歌奈。
取り敢えず部屋に移動した。
「ねぇ、何があったの?」
出来るだけ優しく聞いたつもりだったのに、ビクゥッッ!!!大袈裟な位歌奈は震えた。
『ちょっと怯え過ぎじゃない?』
明らかにおかしい歌奈の態度。
どんだけ疚しい事をしたんだ?
スッゴイ気になる。
「ねぇ歌奈。何があったか教えて?」
今度はもっと優しい口調で尋ねる。
次は怯えはしなかったが、押し黙ってしまった。
取り敢えず口を開く迄待つかと試みたが、数分で待ちくたびれた。
『あ~もう、黙ってたら分かんないだろ?ハッキリ言えよっっ』
軽い苛つきを抑える為軽く深呼吸。
怒ったらダメだ。
此処で感情を露にしたら、歌奈は絶対に怯える。
よけい泣かれ、答えが遠のくに違いない。
「歌奈。何に対して謝ってるか教えて?そうしないと、何も解決しないでしょ?」
優しく歌奈を抱き締めながら、軽く頭を撫でる。
「ね?」
顔を覗き込みながら、柔らかく微笑むと
「・・・・・・・・・・・・俺さ、物凄く最低な事をしたんだ」
漸く歌奈は口を開いた。
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