Ⅱ.歪み

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朝になっても帰って来ない歌奈。 事件に巻き込まれてないよな? 「取り敢えず聖は朝御飯食べて学校に行きなさい」 いつの間にか作られていた朝食。 真っ青な顔の母は、なんかやつれて見えた。 食欲なんてある筈ない為、味噌汁だけを飲むと 「何かあったら教えて?」 気が進まなかったが、登校の用意を始めた。 鞄を手に自室のある2Fから降りる為階段に足を向けた時、ゆっくり開いた玄関。 「歌奈!?」 慌てて走り寄ると 「ごめん聖。ごめんなさい」 歌奈は僕に抱き付いて泣いた。 一体何があったというのだろう? 「ごめ・っ、聖、ごめん。ごめんなさ・い・・・・・・・・」 泣きながら謝り続ける歌奈。 取り敢えず部屋に移動した。 「ねぇ、何があったの?」 出来るだけ優しく聞いたつもりだったのに、ビクゥッッ!!!大袈裟な位歌奈は震えた。 『ちょっと怯え過ぎじゃない?』 明らかにおかしい歌奈の態度。 どんだけ疚しい事をしたんだ? スッゴイ気になる。 「ねぇ歌奈。何があったか教えて?」 今度はもっと優しい口調で尋ねる。 次は怯えはしなかったが、押し黙ってしまった。 取り敢えず口を開く迄待つかと試みたが、数分で待ちくたびれた。 『あ~もう、黙ってたら分かんないだろ?ハッキリ言えよっっ』 軽い苛つきを抑える為軽く深呼吸。 怒ったらダメだ。 此処で感情を露にしたら、歌奈は絶対に怯える。 よけい泣かれ、答えが遠のくに違いない。 「歌奈。何に対して謝ってるか教えて?そうしないと、何も解決しないでしょ?」 優しく歌奈を抱き締めながら、軽く頭を撫でる。 「ね?」 顔を覗き込みながら、柔らかく微笑むと 「・・・・・・・・・・・・俺さ、物凄く最低な事をしたんだ」 漸く歌奈は口を開いた。
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