Ⅱ.歪み

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「はぁあ!?」 「ご・ごめんなさいっっ」 ハッ!?しまった。 あまりにビックリして、思いっ切りキツい声出しちゃったよ。 案の定、歌奈激しくびくついたし。 危ない危ない、冷静になるんだ自分。 ヒック、ヒック泣きじゃくる歌奈。 う~ん、可愛いなぁ。歌奈の泣き顔スッゴイそそる。 もっと泣かせたくなるんだよな。 って、そうじゃなくて。 今さっき、歌奈何て言った? 泣きながら歌奈が暴露した事。 ソレは、僕の想像の範囲内を超えていた。 歌奈にはずっと好きな奴が居て、ソイツに突然告白されて、両想いだと浮かれて抱かれた。 でもソイツの好きな人は歌奈じゃなくて僕だった。 因みにソイツの名前は鏡夜。 知り合いにそんな名前の奴居たっけ? マジ思い出せない。 う~んう~ん、しかめっ面で考えてると 「ごめっ・んね聖。ごめん・なさい・・・・・」 先程よりも歌奈が怯え出した。 あっ、眉間に皺寄ってた。 慌てていつもの笑顔を顔面に貼り付け 「取り敢えず、今日は休んで?そんな泣き顔じゃ学校行けないでしょ?」 「でも」 「ね?」 「・・・・・・・・は・い」 無理矢理歌奈をベットに寝かし付け 「じゃあ、ゆっくり寝てるんだよ?」 部屋を出た。 扉を開けて完全に閉じた瞬間 「ねぇ聖。歌奈大丈夫?何があったの?」 泣きそうな顔で母に詰め寄られた。 「なんかね、友達の家に泊まったらしいんだけれど、別れ際にちょっと喧嘩しちゃったみたい」 当たり障りのない嘘を言う。 多分、いや絶対、歌奈本当の事言いたくないだろうし。 僕に言うのでさえ、本当は嫌だっただろうに。 でも歌奈は教えてくれた。 泣きながらだけれど。 ていうか、歌奈を傷付けた鏡夜って奴、マジ許せない。 一度逢って、殴ってやりたい位だ。 でもそんな奴、顔さえ見たくないな。
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