Ⅱ.歪み

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「ねぇお母さん。歌奈今日は休ませてあげて?体調も優れないみたいだし。ね?ダメかな?」 「・・・・分かったわ。なら今から歌奈の担任に電話しなきゃね。あっ、でも聖、貴方は学校に行くのよ?」 「え!?今から?」 「勿論」 ・・・・・・・・えっと。 言われ、ゆっくり視界に入れる時計。 「!?」 って、11:45!? 何その時間、マジ有り得ないんですけど? 「ごめん母さん。行きにくい」 こんな時間から行くなんて完全に遅刻だ。 「仕方ない。なら、午前中は体調不良で休んでたって事にしてあげるから、今から学校迄送るわよ」 あっ、そうしてくれるんだ。 ならついでに休みにしてくれたらもっと嬉しいのに。 「急いで用意して車に乗って?私は電話してから行くから」 不平だったが、普通に行くよりは格段に行きやすい。 「歌奈、行ってくるね?」 軽く部屋に声を掛け、玄関に向かった。 『あ~あぁ、マジ行きたくねぇ』 憂鬱な気持ちで登校するなり 「おはよう宮城」 「おはよう」 近付いてきた人間。 『あ~又来たよウザいの。ていうか真っ先に話し掛けてきたのがコイツなんて最悪』 コイツイコール川ヶ瀬。 僕川ヶ瀬スッゲェ苦手なんだよな、いっつもジロジロ不躾に見てくるしさ。 「体調不良って大丈夫か?ごめん、昨日無茶させ過ぎたな」 『ん!?は?昨日って一体何の事だ?なんでお前が申し訳なさそうに謝るんだよ?』 「あまりに宮城が可愛くってさ、加減出来なかった。悪かったな」 『加減?って、ほんっとコイツ何言ってんだ?マジ意味不明』 訝しげに覗き込む顔。 「ーーーーーーーーーっ、可愛い」 『はい!?』 突然赤くなった川ヶ瀬。 マジキモい。 「昨日はごめんな?でも俺スッゲェ嬉しい」 『昨日?昨日って何だ?』 昨日僕は川ヶ瀬と逢ったりしていない。 何か勘違いでもしてるのか? それとも変な妄想か? そうだったらマジ手遅れだな川ヶ瀬。 同情するよ。 『昨日ね、昨日』 昨日の事を思い返す。 って、唯、歌奈を探しながら帰宅を待ってただけだし。 やっぱ記憶にないな川ヶ瀬。 う~ん??? ん!?あれ?ちょっと待てよ。 川ヶ瀬の名前って何だっけ? なんかスッゲェ嫌な予感するんだけど。。。。。。。。気のせいだよな?
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