Ⅰ.はじまり

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「おはよう」 そわそわしながら公園に向かうと 「おはようございます」 「今日も可愛いな。宮城は」 彼はもうソコに居た。 『って、スッゲェ緊張するぅ』 そんな俺の心情に気付かない彼は 「朝御飯食べた?」 「いえ、まだです」 「なら食べ行こうか?」 「・・・・は・い」 俺を朝御飯に誘った。 『わっ、ちょっ、ぇええ!?』 スッと繋がれた手。 ヤバイ。スッゴク緊張する。 俺、手、ベタベタしてないかな? カサカサしてない? どうしよう、せめてハンドクリーム位塗ってくれば良かった。 そんな葛藤をしている間に辿り着いたのは 「ぇっ、此処・ですか?」 又々高そうなお店。 もしかしてこの人金持ち? 朝から豪華な和食を食べ、その後は映画を見て買い物をした。 って、あれ?なんかこれってデートっぽくない? う~ん。。。。。。気のせいだよな? 俺まだ名前すら知らないしさ。 普通に聞けば良いんだけどさ、なんか聞きにくいんだよな。 だって、アッチは知ってんだしさ、なんかメッチャ顔見知りな感じで接してくるんだもん。 だから今更聞けないって雰囲気出捲りなんだよ。 でも名前知りたいし、一体どうしたら分かるんだろう? ちょっと困ったかも。 「宮城?どうした?楽しくない?」 考え事をして黙り込んでしまうのは悪い癖。 「ごめん」 「疲れたんなら少し休もうか?」 「ありがとう」 苦笑した。 『って、なんでこうなってんだぁ!?』 休もうかと言われて辿り着いたのは、何故か彼の家。 《いつもので良いか?》 と聞かれ、出されたのはアップルティー。 《なぁ、コレ分かる?》 聞かれ見せられたのは数学のプリント。 なんかコレ去年習った気がする。 《コレはこうして、此処にこの方程式を使えば簡単に解けるよ?》 《あっ、本当だ。凄いな宮城は》 って、ん!? なんかおかしい。 なんか聖に教えてるみたいだ。 って、まさか、年下・なのか? う~ん?でも背ぇ高いし、大人っぽいよな? あっ、もしかして勉強嫌いなのかな? ま、俺も好きな方じゃないから人の事言えないけどな。 《ならコレは?》 《あっ、コレはな》 って、やっぱりおかしい。 コレ1年の時習ったぞ? 見た目年上だから、1年の時の復習かな? 俺もたまに色々度忘れするから、別におかしくはないよね?きっと。 いつの間にか始まった勉強会。 何故か俺は家庭教師みたいになっていた。
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