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ふわぁ~。つい出てしまった欠伸。
教えるのって、意外と疲れるんだな。
軽く目を擦ると
《ごめん。迷惑掛けて》
彼は申し訳なさそうに頭を下げた。
《あっ、気にしないで?》
俯かれた顔を覗き込んだ時バチッって音が出そうな位ぶつかった視線。
気が付くと
『え!?』
キスをされていた。
で、今に繋がるワケだ。
「ちょっ、待って?」
「待てない。ずっと好きだったんだ。これ以上我慢したら暴走する」
は!?ずっと?暴走?
って、あの、今既に暴走してますよね?
「好きだ、宮城。初めて見た時からずっと、好きだった」
え!?
「宮城は?宮城は俺の事嫌い?」
これって一体どういう事?
全然意味が分からない。
ずっと一方通行だと想ってた恋。
初めて見たのは公園で、唯、視界に入っただけだった。
次に見たのは図書館。
窓際に座って、難しそうな本を読んでいた。
でも毎回見てただけで、一度も話した事はない。
って、コレちょっとおかしくないか?
なんで彼は俺の名前を知ってるんだ?
俺は全然知らないのに。
必死に動かす脳。
その為、完全に抵抗をし忘れていた。
「ん!?・・・っ、ふ、ぁ」
いつの間にか深くされていた口付け。
口腔内を舌で舐められ
「は・ん。ふ、ぅ」
思考能力が低下した。
「宮城」
「好きだよ、宮城」
「大好き」
呪文の様に繰り返される、甘くて優しい声。
彼に惹かれている俺にとって、ソレは甘い誘惑。
「ねぇ宮城。教えて?俺の事好き?」
キスの合間に甘える様に聞かれプツリ切れてしまった理性の糸。
「好き」
俺は想いを告げ、自ら彼に唇を重ねた。
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