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言った瞬間、少しだけ頬が熱くなるのを感じた。
どんな反応をされるのだろうと怖くなったけれど、茶髪くんは一瞬驚いた顔をした後、すぐにふわっと優しく笑った。
笑うと、大人っぽく尖った感じが崩れて、人懐っこい表情に変わっる。
笑顔も、綺麗だなって思った。
でも、その笑顔に自分と同じようなものを感じた。
何故だろう。
自分には、あんな風には笑えないのに。
「歌わないの?」
「へ?」
突然投げ掛けられた茶髪くんの言葉に思わず間抜けな声をあげてから、尋ねられたことに気付く。
「んー。いいや、別に」
素っ気なく答えながらも、さっきからやけに緊張して落ち着かない。
「ふーん」
茶髪くんも、特に興味もなかったらしく素っ気ない相づちをうった。
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