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「明美ちゃん、結婚おめでとう!」
友人の何人かで、親友を祝福する。
その中に、立花 真由は自然と溶け込んでいた。
明美は、真由を見かけると、必要以上に涙を流しながら感謝の言葉を掛けた。
「来てくれないかと思ってた。」
真由は、顔色一つ変えずに、答える。
「親友の結婚式に来ないわけないでしょ?」
「本当?嬉しい。」
そんなやり取りをしていると、隼人も真由のところへやって来た。
「真由、来てくれたんだね。ありがとう。」
真由は、ニッコリ微笑むと、二人に祝福の言葉を掛けた。
「おめでとう!本当によかったね。」
結婚式の新婦よりも、真由の美しさは一際目立っていた。
彼女は、今日のために、2年間、自分の容姿を磨く事だけに時間を費やしてきた。
その甲斐があって、真由は頭から爪先まで、完璧と言えるほど、綺麗だった。
「おい、隼人、あの美人は誰だよ?紹介してくれよ。」
そんな声まで飛んでくるほどだった。
隼人は、真由があまりにも美しくなっているので、驚いた。
あれから2年間、何の音沙汰もなかったが、今日ここに来てくれたのは、きっとあのときの事を許してくれたのだと、隼人も、明美も思った。
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