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結婚式から1ヶ月が経ったある日、友人の何人かと、二人の新居に向った。
食事会に招待されたのだった。
真由は、いつも以上に気をつかって、仕度した。
中学の頃から親しかった麻子と一緒に、二人の新居へ向った。
麻子にも、自分の気持ちを隠している。
誰にも知られたくなかった。
深く傷ついている自分を見せる事は、女として、明美に負けた事を認めるようで、嫌だった。
麻子と真由が到着するより前に、友人達がすでに集まっていた。
「ごめんなさい、遅くなって。」
真由が現れると、隼人の友人何人かが、騒ぎ出した。
「ねぇ、真由ちゃんって今誰かと付き合ってるの?」
隼人はそう聞かれても、真由の2年間はまったく知らずにいたので、答えようがなかった。
「さぁ・・・どうだろう。」
こんなに綺麗な真由に彼氏がいないわけがないと、みんなそう思っていた。
お酒が入って、いい気分になったころ、隼人の親友の柏木 誠二が、真由にたずねた。
「ねぇ、真由ちゃんって彼氏とかいないの?」
ほのかに酔っ払い、頬が赤くなった真由は、色気たっぷりで答えた。
「いないんですよ。」
真由の言葉に、男連中は我もと、立候補した。隼人は少し複雑な気持ちだった。
前よりも、真由は綺麗になった。
元々ももちろん、綺麗だったが、今の真由は、男心をくすぐるほど、美しい。
その瞳に見つめられると、飲み込まれそうなほどの魅力が溢れている。
隼人は気持ちを悟られないように、平然を装った。
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