弟九章

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誠二は、明美の両腕を、押さえ込む。 「はなして、離して誠二!!」 明美が必死でもがく。 その時、血だらけになった隼人が現れた。 「明美・・・」 誠二は、隼人を見て驚いた。 「明美ちゃんに刺されたのか?!」 そう言うと、隼人はこくりと頷いた。 「真由、救急車を呼ぶんだ!!」 誠二が明美を押さえ込みながら、真由に叫んだ。 真由は、震えながらもいわれるがままに、119番をする。 手が震えて、なかなか数字を押す事が出来ない。 やっとの思いで、119と押す。 「隼人、庖丁を取ってくれ!!」 ふらふらになりながら、明美から凶器を奪った。 明美は、ものすごい力で、暴れ続ける。 「真由、110番だ!」 しかし、その言葉に隼人が言った。 「それだけは、それだけはやめてくれ!!」 ふらふらになりながら、隼人が最後の力で叫んだ。
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