第一章

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その夜、隼人は、真由を想像しながら、明美を抱いた。 明美は、隼人の燃え上がるようなセックスに答えるように、声を上げた。 隼人の心の中に、確実に芽生えた真由への思い。 それは、妻の明美では満たす事ができなかった。 着衣の乱れた真由のことを、頭で想像しながら、明美を毎日抱き続けた。 そして、ついに明美は妊娠した。 この時を、真由は待ち望んでいたのだ。 復讐の舞台が全て整った。 真由は、妊娠の知らせに胸が弾んだ。 妊娠すると、男は禁欲生活に入る。 それに耐え切れず、たいていの男は他の女を抱くはず。 その時期なら、確実に隼人を誘惑できるはず。 真由は、時期が来るのを今か、今かと指折り数えながら待っていた。
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