消火訓練

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小学校の頃の思いでは、結構いろいろあるのですが、一番印象に残った出来事は、防火訓練の際に、担任の小川先生が火だるまになったことです。  毎回、防火訓練ではガソリンを入れたバットに消化器をかけて消しますよね。あの時に起こった事件です。当日火災報知器が鳴りますと、全校生徒は左手で右手の腕を握って、フリーの右手は前の人を階段で押しながら、速やかに待避します。その後、小さく前ならえして整列すると、お待ちかねの消化実演の始まりです。ガソリンに着火した炎を毎回消化器で消すという危険な単純作業です。これについて思うのですが、毎年毎年同じ内容で訓練しても緊張感にかけるので、たまには何に火をつけるかは当日まで内緒にしておいて、当日びっくりするような防火訓練がしたいですね。え、あれ燃やすの!?っていう感じで。   さて、 一組の担任の先生から始まって、私たちの四組の小川先生の出番です。 消防署の職員がガソリンに着火すると、いきおい良く炎が燃え上がります。小川先生は俺がやってやるとクラスの女子に手をふりながら、消化器を振り回し、年下相手に意味不明なセックスアピールをしています。日弱な独身男の数少ない晴れ舞台でございます。  小川先生が炎のタイミングを見計らって、消化器のグリップを握ると、消化器から勢いよく炎が吹き出ました。小川先生ははじめは何が起こったのかよく分からない顔をしていましたが、巨大な炎が吹き出しているのが自分の手に持っている消化器であると気がつくと、戸惑いのあまり消化器を地面に落としてしまいました。
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