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「美咲のウソツキ!」
月曜日の朝。
あたしの朝は、鼻息を荒くした夏帆の第一声からはじまった。
登校するなり、あたしの携帯電話を奪って、送信履歴を確認する。
「昨日、メール送るって約束したくせに!」
クラス中が、あたしと夏帆を振り返った。
「聞いてよ、みんな。美咲ったら、ひどいの」
「なに、ひょっとして、アレ? birth4」
「そうなの、美咲ったら、口ばっかり」
「ひょっとして、美咲、本気にしているの? birth4の予告」
クラスの皆が笑った。
「はやらせたの、夏帆だし」
「きゃははっ」
笑う夏帆の顔を見て、あたしは心の奥で怯えに似た戦慄を感じていた。
夏帆は、黙っていれば、お人形みたいに華奢で愛らしい。
どうして、こんな残酷な「遊び」に熱中するのか?
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