§第4章

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それに──。 あたしは、ごくっ、と生つばを呑んだ。 birth4が、不謹慎な遊びだってわかっている。 4時4分に送る、送信メール。 1週間以内に、送信相手が死ぬとき。 その死亡写真が1分間だけ表示されるなんて。 そんなの耐えられる? だから、あたしは怖くてやれない。 けれど、周囲のみんながやっていて。 拒否することは、孤立へと繋がっていく。 あたしの所属する2-Bの合言葉。 毎朝、登校すると……。 「おまえ、死亡予告、出てたぜ」 「やめろよな、そういう冗談」 「ぎゃはははっ」 「おはよう」の代わりに告げる、死亡予告。 birth4のメールを送信しても、結局、誰にも死亡写真は送られてこない。 少しでもみんなを怖がらせたくて、ありもしない「死亡予告」を告げあっている。 そして、今朝も──。 「……死亡予告、出た」 不謹慎な遊びで、一日がはじまる。
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