§第2章

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「はあ? ホラー映画の観すぎだろ」 「隼人、本当だってば!」 「あのなー、夢の中のできごとが、現実に起こるわけないだろ」 あたしがどんなに説明しても、隼人は一向に信じてくれなかった。 鼻先で笑いながら、お互いの教室に向かっていく。 「あれ? 今日、美咲のクラス、騒がしくねぇか?」 「またそうやって、はぐらかす!」 「だって、見てみろよ、ほら」 隼人が2-Bの教室を指差した。 廊下にまで、クラスメートの騒いでいる声が聞こえている。 あたしは、教室の前で隼人に別れを告げて、足早に教室の中へ入った。 「なにかあったの?」 「あ、美咲。転校生がくるんだって」 「今頃?」 「そうそう、今頃、ね」 9月上旬のこの時期に転校生? 「今日は、転校生を紹介する」 担任の飯田先生が、転校生をつれてきた。 小柄で華奢な体つきにくびれたウエスト。 肩までのストレートな黒髪をかきあげて、照れくさそうに舌をぺろっと出す。 飯田先生が、黒板に「花村夏帆」 と書いて、紹介した。 「かわいくない?」 「ってか、最高!」 男子たちが、夏帆を見て、一斉に目を輝かせた。
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