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あたしは、夏帆を見て、思わずホッとした。
『あたしのクラスで良かった』
だって、可憐で清楚で、とてもかわいいのだ。
隼人のクラスにいたら、隼人だってきっと見惚れるにちがいない。
「夏帆ちゃん、こっち向いて」
「いや、こっちだって、こっち」
男子全員が、夏帆を見ているのに、なぜか夏帆はあたしを見ていた。
目をそらすこともなく、あたしだけを見ている。
まるで蝋人形のように、微動だにしない。
「なあ、夏帆ちゃん。こっち向けよ」
その瞬間、雷鳴が轟いて、騒がしかったクラスは一瞬沈黙した。
稲妻の光に導かれるように、夏帆の姿が浮かび上がる。
光の加減か、まるで骸骨のように浮かび上がった夏帆の体。
雷がスポットライトのように夏帆を照らし、一瞬異様な雰囲気になった。
瞬間、夏帆は「きゃー」と叫び、雷を怖がる仕草をみせた。
そのあまりにもかわいらしい仕草は、男子を一瞬の間に虜にしてしまった。
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