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「おはよう、みんな」
「おー、夏帆ちゃん、おはよー」
あれから1か月……。
転校1ヶ月目とは思えないほど、夏帆はもうすっかりクラスに馴染んでいた。
隣のクラスの隼人でさえ、愛らしい夏帆には、デレデレだ。
顔には出さないけれど、あたしは心に不安が湧き上がる。
「どうしたの、美咲? ぼうっとして」
夏帆があたしの顔をのぞきながら、くすくすと笑う。
夏帆が笑うのを見て、隼人もまたからかうように笑った。
夏帆が、転校してきてからここ1か月。
隼人と2人きりのデートなんて1度もない。
いつも3人だ。
夏帆は、いつもあたしたちにまとわりついてくる。
クラスメートは仲の良い3人組と思っているけど、本当は隼人に訊きたい。
『ねぇ、隼人、まだあたしのこと好き……?』
訊きたくて、訊けない。
訊いてしまって、関係が壊れるのが怖かった。
「あのね、美咲。おもしろい遊びがあるんだけど、やらない?」
その夏帆が、驚くべき「遊び」をクラスに持ちこんだ。
皆がその「遊び」に熱中するのに、時間はかからなかった。
4時1分。
4時2分。
4時3分……。
多くの大人たちが、深い眠りについている頃。
ベッドで目を凝らすものたちがいる。
大人は知らない。
「おやすみ」といったカレらが、深夜静かに始める危険な遊び。
──birth4を。
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