§第2章

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「おはよう、みんな」 「おー、夏帆ちゃん、おはよー」 あれから1か月……。 転校1ヶ月目とは思えないほど、夏帆はもうすっかりクラスに馴染んでいた。 隣のクラスの隼人でさえ、愛らしい夏帆には、デレデレだ。 顔には出さないけれど、あたしは心に不安が湧き上がる。 「どうしたの、美咲? ぼうっとして」 夏帆があたしの顔をのぞきながら、くすくすと笑う。 夏帆が笑うのを見て、隼人もまたからかうように笑った。 夏帆が、転校してきてからここ1か月。 隼人と2人きりのデートなんて1度もない。 いつも3人だ。 夏帆は、いつもあたしたちにまとわりついてくる。 クラスメートは仲の良い3人組と思っているけど、本当は隼人に訊きたい。 『ねぇ、隼人、まだあたしのこと好き……?』 訊きたくて、訊けない。 訊いてしまって、関係が壊れるのが怖かった。 「あのね、美咲。おもしろい遊びがあるんだけど、やらない?」 その夏帆が、驚くべき「遊び」をクラスに持ちこんだ。 皆がその「遊び」に熱中するのに、時間はかからなかった。 4時1分。 4時2分。 4時3分……。 多くの大人たちが、深い眠りについている頃。 ベッドで目を凝らすものたちがいる。 大人は知らない。 「おやすみ」といったカレらが、深夜静かに始める危険な遊び。 ──birth4を。
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