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Drive
食べ終えた丼を持ち立ち、上がるとリサも席を立ちついてきた。
運転席に乗り込む俺を見てリサは助手席側に周りドアに手を掛けた
『誰も乗せるなんて言ってないぞ』
俺の言葉を無視してリサは乗り込み前方に視線を向けたまま無言だ
“ちッ”
舌打ちをしながらエンジンをかけるとリサと言い争っていた男が近寄って来るのが見えた
『出して!早く出して!』
『トラブルに巻き込むな、話しつけろ』
リサを俺を睨み付けた
『お前なんのつもりだよ~降りろよ~』
『話しなんてない!私はこの人に乗せてもらう事になったから帰っていいわ!』
『おじさん悪いけどコイツ返してよ~』
男がリサの右手を乱暴に掴み、立たせようとしたのを見かねて止めようとした時だった
『おい、やめ…』
俺の声と同時にリサのパンチが男の鼻にヒットした
“ガッ”
鼻を押さえてしゃがみ込む男にリサが助手席から降りて罵声を浴びせる
『あなたのそういうところががムカつくのよ!少しくらい顔がいいからってお金と力で女が言いなりになると思ったら大間違い!返すわ!』
そう言ってピアスとリングを外すと鼻を押さえてうずくまる男に投げつけてコートとヒールを脱ぎ更に男に投げつけた
『バイバイ』
素足で薄着になったリサが俺に向いて言った
『これでいい?』
身長は170センチ近くあるかもしれない。
髪は街灯を反射して艶やかで、小さな顔の中に大きな瞳とぽってりとした唇。
手足も長く日本人離れたスタイルでさっきの男が入れ込むのも納得できた。
俺の返事を待たず助手席に納まった。
何人か通りかかった男女がリサと男のやり取りを見て失笑しながら通りすぎて行く
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