13 最後の夜

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上様があたしを御寝所に呼んだのは、その翌日のことだった。 鈴の音と共に御小座敷に入ってきた上様は、座る間ももどかしく、あたしに訊いた。 「昨日のあれは、お蘭の仕業であろう?」 「あれって? 何のことでしょーか?」 上様が言っている「あれ」が、孝子さまを大奥に連れてきて、上様に会わせたことを指しているのはわかりきっているけど、あたしはわざとらしくすっとぼけた。 驚いたことに、今回の一件にあたしがからんでいると上様が気づくまで一晩かかった。 ったく、にぶんいんだからっ。 でもまぁ、あたしがあっちに帰るのに間に合ったから許すけど。 明日は、新月。 そう、あのメールを信じるとすれば、あたしがここからいなくなる日だ。
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