【山之内くんと綾乃ちゃん】

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  「あたしの名前はアヤノ。ス・ズ・イ・シ・ア・ヤ・ノ。お地蔵さん、アナタのお名前は?」 ……言い終わってから後悔した。 なに地蔵と話してんの私。メルヘンキャラとかキモいんですけどぉぉぉ。 マジこんなとこ友達に見られたら、明日から『ポリン星からきたアヤポリン』とか言われるし。死にたい(笑) あれ? そういえば……駅に降りたのは私だけじゃないはずなのに、周りに誰もいない。 そればかりか、車の走る音もなにも聞こえない。 見えるのは、半分埋もれた地蔵の姿だけ。 聞こえるのは、直接頭に響くような地蔵の声だけ。 えっ? ナ ニ コ レ 「君はアヤノさんか。私の名前は――」 そこで私の意識は、TVの電源を落としたかのようにプチンと途切れた――。  
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