【恩返し】

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  「っ! シャム! お前元気に……」 突然のことにビックリした俺は、シャムの前足の下に手を入れて抱き上げたが…… 「ニャ……」 その声を最後に、シャムの目が開くことは無かった。 猫ってさ、死ぬ間際には飼い主の目が届かない場所を選ぶって聞いてたから、毎日『帰ってきたら死んでるんじゃないか』って思ってたんだ。 最後の最期に力を振り絞って、俺を待っていてくれたんだな。 ありがとう。 俺は動かなくなったシャムと一晩を共に過ごし、翌日ペット葬儀社に連絡をいれ、仏壇まで買った。 一人っ子の俺には妹みたいなもんだったからな。 ただ『死んじゃいました』なんて割り切れなかった。  
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