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それから1年が過ぎ……
3年が過ぎ……
あっというまに10年が過ぎた。
俺は毎年、シャムの命日になると、あいつが好きだったマグロの赤身を仏壇に供えている。
毎年、マグロを供えた次の日の朝には、皿を残してマグロが消えている。
不思議なもんだ。
不思議ついでに、もうひとつ。
その日は必ず玄関先にネズミとスズメの死骸が綺麗に並べられている。
ありがとうなシャム。
ただな……
マグロのお礼のつもりなのかもしれないが……
俺にはネズミもスズメも食えねぇって。
昨日聞いた近所の噂では、俺が黒魔術をやっていて、誰かを呪うためにネズミとスズメの命を奪い、毎年決まった日に儀式を行っているとかなんとか。
よし、引っ越そう。
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