~12年後~

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さっきの漫画を諦めた私は、別の漫画を棚から出して読み始めた。 緋色はというと―・・・あたかも「不満です!」みたいな顔で突っ立っている。 さっきより不満度が3割増して。 「何か涼子、最近俺に冷たくね?」 「そ?いつも通りでしょ?」 そう言いながら、私は新たに選んだ漫画を読み始めた。 「絶対ぇ冷てぇし!」 「どこが?」 私が面倒臭そうに聞くと、 「ほらっ!そこ!そうやってこいつウザ~みたいな顔するトコ!俺傷つくんだけど?」 緋色は眉間に皺を寄せる。 「だってホントのことじゃん?」 酷っ!と言いながら、緋色はまた私から漫画を取り上げた。 「ちょっ、いい加減にしてよ!!」 さすがに2回も漫画を奪われては頭にくる。 私はすかさず緋色の足を思いっきり踏んだ。 「痛っっ!!!!」 予想外の行動に対応出来ず、緋色は私の反撃を普通に食らった。 「・・・こんのっ!!可愛くねぇー女!!」 「フンだ!泣き虫ヘタレの緋色!!」 「思いっきり踏むことねぇだろ!?」 緋色は踏まれた部分をさすりながら言い返した。 「人が読んでる漫画を取り上げる方が悪いんじゃん!!」 私は負けじと言い返した。 「俺の所有物を俺がどうしようと勝手だろ!?」
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