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越後を離れて数日。
かすがは東国と西国の中間点辺りの小さな国に来ていた。
まだこの地域には豊臣の進軍してきた形跡は無い。
恐らく本拠地の大阪か稲葉山で準備を整えているのだろうとかすがは判断する。
「(この辺りはまだ大丈夫か。
だが、いずれこの地も・・・)」
グッと唇を噛み締めつつかすがは一旦その場を離れる。
そして、更に西へ向かおうとした時だった。
「あっれ~、かすが!
こんな場所で会うたぁ珍しい」
「猿飛佐助!貴様、何しに来た!」
背後から聞こえた声。
声の主が誰なのかすぐに分かりかすがは敵意と殺気を剥き出しにする。
「はいはい、カリカリしないの。俺様もお前と同じだってば。
お館様の命令で豊臣の進軍状況を探りに来たんだ」
佐助の言葉を聞いて剥き出しにしていた敵意と殺気を収める。
「お前も軍神の命令で来たんだろ?だったら一緒に行かねぇ?」
「フン、勝手にしろ」
シュッ
「あ、おい!やれやれ、仕方ねぇな」
あっという間に姿を消したかすがに佐助は苦笑いをする。
かすがの後を追い自分もその場から消えた。
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