女騎士と鍛冶師

2/12
前へ
/33ページ
次へ
カーン カーン カーン カーン カーン 一人の男が熱気の篭もった工房で鉄を打っていた。 そこにどこからか、傷だらけの鎧を着た女が現れる。 女だと判ったのは、兜を被っていないからである。 「貴方は、ジルガ・グラウディスか?」  カン 鍛冶師は一度手を止めた 「…そうだが、お前は?」 「失礼、我は、アヤメ=コーヴェスと申す」 カン カーン カーン ジルガは、名前を聞くとまた打ち始めた。 「実は、貴方に頼みがあってきた。 私の剣を打って欲しい」 カーン カーン カーン ジルガは、しばらく無言を通した後打つ手は止めず、 ただ一言「無理だ」と言った。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加