伊東への裁判

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「近藤さん、新選組はどうです?」 「此方は何時もどおり、何も変わってはおりませんそちらの御陵衛士はどうですか?」 「こちらはまだまだ駆け出しなものですので」 近藤と伊東が話しあっている。それを横目に見ながら、伊東の隣に座っている女が伊東の御猪口に度の強い酒を注ぎ続ける。そして、近藤さんには、千紗が水をそそぐ。 そんな中、僕と山南さんは斎藤さん永倉さん都の久しぶりの再会を喜んでいた。 間諜として、御陵衛士にもぐりこんでいた間、不信がられないためにも一切会う事が無かったのだ。 「永倉さん。斎藤さん、久しぶりですね」 「あぁ、元気だったか?佐之とか平助とか」 「えぇ!もう朝っぱらからうるさくてもうたまりませんよ……でも、皆さんお二人が居なくなって物足りないようですよ?」 最後、間を開けて少し小さな声で言った。その言葉に、二人は照れたように顔を見合わせた。
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