448人が本棚に入れています
本棚に追加
65 :3/4[]2008/10/26(日) 00:16:32.20 ID:x1b4PxfB0
127 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/06/29(日) 20:52:06 ID:12zK8WMX0
イヤホンからは稲川氏の早口なしゃべりが聞こえてきます。
正直、体力が落ちているこの時間くらいになると、
何を言っているのか聞き取ることができません。
かなり疲れてきていたのか、無意識に目を閉じていたようです。
不意に、音声が途切れました。
あ、終わったのかな?と僕は目を開けました。
話がおわると消えていく、100本ろうそくの画面が出るはずです。
しかしそこには違うものが映っていました。
顔の下半分がグニャグニャに歪んだ老婆の顔のアップでした。
元は何かの話のクライマックス用のビジュアルなのでしょうか。
大きく口を開けた老婆がこちらを凝視していました。
ディスクの読み込みエラーなのかもしれません。画面の下半分だけが
痙攣したようにブルブルと震え、
それに合わせて老婆の口もグネグネと歪みます。
イヤホンからは稲川氏の声。
「……ジーッと見ているんですよ。……ジーッと見ているんですよ。
……ジーッと見ているんですよ。……ジーッと見ているんですよ。……」
そこの部分だけが繰り返し再生されます。妙にゆっくりと。
ソフトのフリーズはしょっちゅうですが、こんなエラーの仕方は初めてです。
やがて、リピートしていた稲川氏の音声にブツブツと雑音が入りはじめました。
SSはディスクを読み込もうとガリガリいい出しています。
未セーブ分の時間が勿体ないとは思いましたが、
僕は怖くなり電源を落とそうと手を伸ばしました。
.
最初のコメントを投稿しよう!