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「ねぇ。
そろそろ付き合ってくれてもいいんではないっすかね」
「……」
最近まで金髪だった髪を.真っ黒にしたこの男。
私の頭2つ分も高い背丈に似合わない童顔が.更に強調されていた。
昨日.1人で食べたひじきの煮物はどんな味だったかな.なんて考えてしまうくらいの真っ黒。
「本当に黒くしたんだ…」
「そしたら付き合うって約束でしょうが」
"約束"
彼は真っ直ぐ見つめてきてそう言った。
「約束なんてしてない」
約束は永遠ではなくて。
叶わなかった時に悲しむのは.約束を交わしたせいなんだよ。
俯く私。
それを見て頭をかしげた眠た気な彼は.結構前から私に告白しては流される.同い年の男。
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