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そして、今度は祓を見て、返事を促すようにフッと笑う。
それを見た祓は
「レベル5を倒したんだよ!!!」
照れたように、でも誇らしげに笑う。
「……。」
そんな祓の表情を見た滅は、何かに耐えるように唇を噛み締める。
「……滅兄さん?」
が、祓のいぶかしげな、心配そうな表情を見て、フッと表情を緩める。
「祓もすごいな。お兄ちゃんが6歳の時なんか、まだレベル3だったんだぞ。」
「そうなの!?」
目を真ん丸にする祓に、滅は
「そうだよ。祓はお兄ちゃんよりも強くなるかもな。」
焔と同じようにヨシヨシと頭を撫でる。
そして最後に頭をポンと叩いて立ち上がると
「さて、そろそろ報告に行かなくちゃな。」
もう一度2人に笑いかけてから、大広間に向かって歩き出した。
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「只今、帰りました。」
滅は、大広間で清と向き合いながら、丁寧なからも固い口調で帰還の報告をする。
「ご苦労だった。」
清も冷たい目のままそれだけを言って、後は滅などいないかのように目を閉じる。
「…失礼しました。」
清の無関心ぶりに、滅は気付かれないように軽く唇を噛み締めて、そのまま退出しようと扉に手をかける。
その滅の背中に向かって清は
「明日、次期当主の決定を行う。」
相変わらずの無関心な口調で言う。
滅の背中がビクンと震えた。
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