436人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
不貞腐れた表情で、長州藩邸に向かう。
僕は苛々していた。
今日もお瀧のところへ行くと、あの禿に言ったのに、桂に呼ばれてしまったんだ。
もし、このせいでまたお瀧が折檻でもされれば、今度こそ僕は我慢出来ないかもしれない。
大体、僕は本来我慢とかそういうのが大の苦手なんだ。
いつまでたっても大人になりきれないと、高杉によく言われたなと思い出す。
高杉にだけは、言われたくないことだけど。
はぁー、と、深いため息を吐きながら、夜道を急ぐ。
新撰組が見廻りを始める時間が迫っていた。
最初のコメントを投稿しよう!