第八夜

10/15

436人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
桂の話は、大抵眠くなる。 年を重ねるごとに話が長くなるのは、仕方のないことなんだろうかとか、余計なことを考えていると、ぽかりと頭を殴られた。 「痛っ 何すんのさ?」 「お前がぼんやりしてるからだろう?」 「話が長い桂が悪い。」 「屁理屈言うな。 ちゃんと聞いてたのか?」 また殴るぞ、と言わんばかりに拳を構える桂。 全く五月蝿いおっさんだなと思った。 「聞いてたよ。 古高でしょ?」 僕は、ゆっくりと桂から視線を反らせた。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

436人が本棚に入れています
本棚に追加