第八夜

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冷静さを失っていた。 怪しいと、頭では分かっているのに、僕はくるりと方向転換して、走り出してしまった。 それに気付いたであろう奴等が、後ろから怒鳴る。 「止まれ!」 「そこの奴!」 「待つんだ!」 失敗した。 急に走り出せば、追ってくれ、怪しんでくれと言っているようなものだ。 だけどもう遅い。 逃げるしかない。 とにかくがむしゃらに走り続けた。
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