序章

2/2

436人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
斬られたと気付くまで 少し刻を必要とした。 それほどまでに 興奮していたのだろう。 流れ出る血は生暖かく 傷口に手をやると 体温を奪われた指先が じんわりと濡れた。 出血量からして助からない。 ぼんやりと思いながら 瞳を閉じれば この蒸し暑い季節に似合わない 薄紅色が瞼に強く滲んだ。 。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

436人が本棚に入れています
本棚に追加