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「左之、やめろよ」
大男は左之と言うのか。
払われたことを気にするでも無く、大男は体に似合う大きな声で笑った。
「何だよぅ。むっつりしてるから、瀧が嫌なのかと思ったら…
新八っつぁんもやるなぁ。」
ニヤニヤと笑い、真面目そうな男をからかっている。
彼らはとても仲が良さそうで、いつもの調子だと言わんばかりにじゃれあっている。
視線を向けると、目が合ってしまった。
「新八様に左之様?
お酒、どうどす?」
新八様には先程断られたのに、また聞いてしまった。
苦手な京言葉と自分の語録の少なさが、かなしい。
しかし彼は、今度は受けとってくれた。
その夜、私は新八様に抱かれた。
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