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女朗相手に優しさを向けるのは、まぐわう前だけだと思っていた。
しかし、新八様は果てた後も私の体を抱いてくれていた。
吉田様と似たぬくもりだと思った。
「瀧は……
想う男はいるのか?」
私を抱き締めたまま、新八様は問う。
何が知りたいのだろう。
こんな不思議な問いかけは初めてで、私には答え方が分からない。
新八様を見上げ、首をかしげた。
「何でもない。
瀧は、あたたかいな。」
あたたかいのは新八様の方だろう。
私は、新八様のまぶたをぼんやりと見ていた。
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