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いつもと変わらぬ朝がくる。
新八様は、部屋を出る前に私を抱き締めた。
ふわりと新八様の香りに包まれたかと思うと、彼は恥ずかしそうに出ていった。
何気なく通りを覗けば、彼の後ろ姿が見えた。
いつもなら、吉田様以外の背を見送るような事はしない。
だが、何故か新八様の背をそのまま見続けてしまう。
あんな風に優しく抱く腕は初めてだった。
角まで行ったとき、新八様は振り返った。
とっさに隠れてしまう。
吉田様に、逢いたくなった。
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