第三夜

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禿は、吉田様と酒を残し、去っていった。 「いらして、くれたんどすか」 緩む口元を隠して言う。 そんな私に気付いたのか、吉田様は笑った。 「お瀧、久しぶりだね。」 「お久しぶりどす。 ………逢いとうございました。」 目を伏せてしまった。 こんな事を言うつもりは無かった。 反応が怖くて、顔が上げられない。 吉田様は何も言わない。 何の言葉もかけられず、どうしようもなく顔をあげると、吉田様は微笑んでいた。 「吉田様?」 「あぁ、ごめんね。 お瀧から、そんな可愛い台詞が聞けると思わなくて。」 そう言って、吉田様は私の体を包んだ。 吉田様の胸元に顔を埋め、私は泣いていた。
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