第三夜

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薄紅色の季節が、もうすぐ終わる。 青葉が美しい季節。 だが、今日の空は珍しくどんよりとしている。 不意に立ち止まった僕は、空を見上げた。 まだ朝早い刻で、人通りは少ない。 ぼんやりと空を眺めていた僕の視界の端に、浅葱色がはいった。 条件反射だろう。 彼らの視界にはいらないように、身を小さくした。 悔しい気持ちも虚しい気持ちも、いつか糧になる。 そう思いながら、息を潜めた。 「新八っつあんがねぇ。 屯所じゃこの話題で持ちきりよ」 会話が聞こえる距離にきた。
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