第四夜

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「そんな・・・」 「先日、左乃に言われた。 左乃、覚えているか?」 「・・・初めてお逢いした時にいらした、体の大きな美丈夫な方?」 「そうだ。」 まぶたを開いた新八様は、めずらしくニヤリと笑った。 「屯所で、噂になっているらしい。」 「うわさ、どすか?」 「永倉が、遊女にハマった。 三日と空けずに通っている。」 新八様は、愉しそうに言った。 吉田様の事が知られているわけではないのだろうか。 彼の表情からは、読み取ることはできなかった。 「なあ、瀧。 今度、外で逢えないだろうか? たまには、外を歩きたい。」 新八様は、薄暗い天井を見上げたまま言った。 左手は、再び動き出していた。
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