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お瀧に逢いたい。
新撰組の男にも他の誰にも、お瀧の魅力を知られたくない。
幼い独占欲だ。
何の進展もない話し合いを抜け出し、街を歩く。
今日もあの男はお瀧のところへ行くのだろうか。
ぼんやりと歩きながら、それでも警戒心を解かず、街を歩く。
この美しい都を火の海にする未来を想像してみる。
お瀧の住む、この都を。
彼女は悲しむだろうか。
橋の上に立った僕は、まとまらない考えが残る頭で、先生と、お瀧を想った。
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